加齢黄斑変性
加齢黄斑変性とは、加齢とともに網膜の下に老廃物が溜まり、網膜の視力を感じる大事な部分(黄斑)が障害されてだんだん見えにくくなる病気です。
加齢黄斑変性には、萎縮型と滲出型の2種類のタイプがあります。
萎縮型は、進行は緩やかで加齢に伴い網膜の細胞が徐々に萎縮していくタイプです。
一方滲出型は、進行が早く網膜の下の脈絡膜から異常なもろい血管(脈絡膜新生血管)が生え、出血や滲出することにより黄斑部が障害され、視力が低下していくタイプです。
滲出型で黄斑部に病変が及んでいる場合には、抗血管新生薬治療を行います。
脈絡膜新生血管の成長を活発化させるとされているのは、体の中の血管内皮増殖因子(VEGF)です。
このVEGFの働きを抑え、脈絡膜新生血管の発生ならびに進展を抑制する薬を眼内に注射するのが、抗血管新生薬治療です。
通常月1回3ヶ月間、硝子体内に注射します。
3回目以降は、診察や検査結果により必要に応じて注射します。
注射部位の感染を予防するために当院では、手術前後の点眼を行い、手術室での投与を行っています。
加齢黄斑変性症
アイリーア治療前 アイリーア治療後糖尿病網膜症
糖尿病の眼合併症(糖尿病網膜症)は失明につながる怖い病気です。
様々な病態のうち、(1)黄斑浮腫、(2)網膜血管閉塞、(3)血管新生緑内障、(4)硝子体出血、(5)網膜剥離などが失明の原因となります。
治療法は網膜光凝固、抗VEGF薬の硝子体注射、硝子体手術の3つをうまく組み合わせます。
(1)・(2)・(3)に対しては光凝固と硝子体注射が、(4)・(5)には硝子体手術が有効です。
硝子体出血を伴う増殖性糖尿病網膜症は硝子体手術のよい適応とされてきましたが、近年、硝子体注射単独の効果も目覚ましいことが確認されています。
デイトナで撮影された広角眼底写真により、アイリーア注射の効果を確認できます。
糖尿病性黄斑浮腫
アイリーア治療前 アイリーア治療後網膜静脈閉塞症
網膜の静脈血管がつまり、流れが悪くなる病気です。
網膜に出血、白斑、黄斑浮腫が生じます。
部分的につまる分枝閉塞(BRVO)と全部がつまる中心静脈閉塞(CRVO)があり、後者の方が予後不良です。
網膜静脈分枝閉塞症
ルセンティス治療前 ルセンティス治療後治療は糖尿病網膜症と同じく、光凝固と抗VEGF薬が主体です。
硝子体手術は近年、あまり行われなくなりました。
網膜疾患に有効なサプリメント
ルテインを含んだ抗酸化作用のあるサプリメントを摂取することにより、加齢黄斑変性などを予防するという報告があります。当院では、眼底疾患に有効なサプリメントルテビタアイ3をお勧めしております。